JICA海外協力隊の選考試験ってどんなことを聞かれるの?
書類作成は大変なのか?
面接は厳しいの?
このブログに辿り着いた方は、JICA海外協力隊の選考試験対策をしたいと思っているのではないでしょうか?
この記事は以下のような人におすすめ!
- JICA海外協力隊をこれから応募する人
- 絶対にJICA海外協力隊の選考に合格したい人
- JICA海外協力隊に興味はあるが選考に自信がなく応募を迷っている人
JICA海外協力隊の選考試験概要
青年海外協力隊の募集はの年2回行われています。
5月中旬から募集開始し、10月ごろに最終合否が決まる春募集
11月ごろから募集開始し、翌年4月ごろに最終合否が決まる秋募集
選考内容は両方共通して、①書類・健康診査 ②面接の2段階です。
書類審査ではわたしが応募した当時は、『共通項目』『職種別項目』の2つのパートで構成されていました。
面接では志望する職種や派遣国に関する内容がメインとなります。
応募条件により選考プロセスが異なるかもしれませんが、わたしが派遣された区分『長期の青年海外協力隊』の選考について詳しく紹介します。
応募に関しての詳細な条件やスケジュールは時期になるとJICAのHPに記載されるのでそちらを参照ください。
応募条件
- 派遣期間:短期(1ヶ月〜1年未満)/長期(1〜2年)
- 応募区分:一般案件(20-45歳/46-69歳)/シニア案件(20-69歳)
※シニア案件は一般に比べより専門的な技術・知識が要求される - 応募資格:下記に該当する場合は応募不可
派遣中/合格済みで訓練/派遣がすでに決まっている/禁固刑/暴力団・反社
選考の前に
まずは選考前に自分がどの案件で選考を受けるか・応募するかを決める必要があります。
なぜなら一括りにJICA海外協力隊といっても無数に要請案件があるからです。
参考までに2023年秋募集での要請案件です。1964件も要請があります。
この中から、どの案件に応募するのかを選ぶ必要があります。
ではどのように案件を選べば良いのか。
こんな軸で考えてみてください。
- 職種:得意なこと、好きなこと
- 派遣国:どの国に興味があるか、行ったことある/行ってみたい国
- 活動内容:スポーツなら普及、選手強化、パラなど
※どんな価値を提供したいか - 派遣隊次:1~3次隊 *年に3回派遣されるタイミングがある
上記で考えた軸をもとにフィルターで案件を探します。
案件を検索したら詳細を見て、概要や応募条件を確認します。
同じ職種・派遣国であっても要請案件によって活動内容が大きく異なります。
ここが自分の希望と大きく異なると実際に派遣された時に、ギャップを感じ活動へのモチベーションに関わるので、自分がどんなことをしたいか/どんな価値・スキルを提供したいか一致する案件を選ぶと良いでしょう。
一方で応募条件は気にしすぎる必要はありません。
例えばスポーツ系の職種でよくあるのが『指導/競技経験○年以上』『指導者の資格保有』などが応募資格として記載されていることがあります。
しかし、ここにとらわれすぎる必要はありません。
コーチとして働いたことがなくても部活やクラブで指導者のような役割をした経験や自分自身のトレーニングのためにコーチしていた経験でも良いと考えています。
この条件を満たしていないから応募できないではなく、案件に興味があるのであれば応募してみてください。
書類審査や面接の際に資格条件を補足するように対策することで、合格できる可能性は十分あります。
実際にわたしも水泳コーチをしたことはありませんでしたが、顧問のいない大学水泳部でプレイングマネージャーをした経験や社会人になって1人で練習する際にマネジメントしていた経験を伝えることで合格しました。
何ができるか、持っているスキルや経験をどう活かすことができるかを要請案件に沿って、選考で伝えることが大切です。
ではここから各選考について、詳細を紹介します。
一次選考
一次選考は書類と健康診断です。
書類選考はオンライン上で作成・提出が可能となっています。
書類選考
書類選考は就活の際のESみたいな内容でした。
職種に関係なくJICA海外協力隊全体に関する『共通項目』と各職種に応じた内容の『職種別』の2つの項目に分かれています。
JICA海外協力隊の募集が始まり、登録することで書類審査の内容は確認できますが、登録する前にどんなことが聞かれるか、募集前に内容を知りたいという方のために18年春募集の際の内容を紹介します。
【共通項目】
- ボランティアへの参加動機・抱負
- ボランティア活動の意義・目的
- 職種の志望理由
- 職種に対する経験・セールスポイント、要請内容への適合性
- 要請に対する弱点
- 自己PR
- OBOGの体験談や報告書で心に残るエピソード
- 派遣後の活動目標
- 帰国後にどうするか
【職種別(水泳)】
- 派遣国で活動する際の重要視するポイント
- 水泳の競技人口を増やすためにどうするか
- コーチ、監督として所属組織を活性化させる方策
- 競技歴
- 水泳の指導資格、指導経験
1,2日で書き上げられるほど簡単なものではないので、計画的に作成し、時間があるのであれば誰かに添削してもらうことをお勧めします。
また作成の際のポイントとしては、【これまでどんな経験をしてきたか】をベースに、
- 経験からどんな学びをしたか
- その学びをどう活かしていきたいか
- なぜJICA海外協力隊を応募しようと思ったのか
などを自己分析してみると良いでしょう。
憧れや理想のような他者からの影響より、自分自身のことを振り返ることをお勧めします。
健康診断
具体的な健康診断の判定基準は明記されていませんが、重大な既往歴はなく、検査項目が一般的な基準値内であればまず問題ありません。
派遣不可となる疾患例はJICAのHPに記載されているので、目安にしてください。
参考までに下記疾患が挙げられていました。
- 心疾患・脳血管疾患
- 悪性腫瘍(ガン)
- 精神科・心療内科疾患
- 糖尿病
- 肝機能障害・腎機能障害
- 胃・十二指腸潰瘍
- その他
その他、派遣不可となる可能性のある疾患についても記載があるのでご参考に。
日本とは生活環境が異なる上に、医療環境も異なります。
特にJICA海外協力隊で派遣される国は多くの場合、日本と比べ医療水準が低い国・衛生面で不十分です。その環境下で、長期的に生活していかなければならないので、健康面は何より重要です。
そのため、この健康審査は一般的な就活に比べ重要視されています。
参考までに、健康面で不合格/派遣中止・延期になった例を挙げておきます。
- BMI低値で選考試験不合格
- アキレス腱断裂で派遣延期
- 派遣中にギランバレー症候群(GBS)を発症し一時帰国
わたしは既往歴はなく、血液検査等の異常値はありませんが、心電図だけは健康診断で必ず引っかかっています。
高強度のスポーツを長くやっている人に多いらしいのですが、『完全右脚ブロック』『洞性不整脈』『洞性徐脈』と検査結果が出ます。
これまで治療の必要性を指摘されたことはないし、選考にも影響がなかったので参考にしてください。
※必ずしもOKとは断言できません。
二次選考
一次選考を通過したら、二次選考は面接です。
こちらも一般的な就活のように志望動機(人物面接)や技術的なこと(技術面接)について聞かれます。
日時はJICAで指定されます。18年春募集の時は職種ごとに日程が決められており、原則変更不可でした。
当時は全て東京で実施されており、札幌に住んでいたわたしは弾丸で移動しました。
今はHPを見るとWeb開催となっているようで、地方在住の方にとっても受けやすくなっています。
二次選考の内容は基本的に一次選考で提出した書類をもとに進められるので、何を記載したのか振り返り面接対策を行いましょう。
それでは水泳隊員の場合の面接内容について紹介します。
【人物面接】
- 志望動機
- 現職(MR)と応募職種(水泳)が異なるがなぜ水泳?
- 集団の中で自分を物に例えると?なぜ?
- 家族や職場の理解は?
- 派遣国が希望国でなかった場合
【技術面接】陸上かラグビーの関係者が面接官でした
- 現在の水泳への関わり方
- 派遣後の活動目標
- 実務歴がないが、補うために何かしているか
- テーパリングとは?(実務歴がないので試されていた)
- 戻ってきた後の会社への還元(現職参加だったため)
前提として、応募当時わたしは製薬会社の営業職(MR)として働いており、会社の休職制度を利用し現職参加枠で応募していました。
また、水泳コーチとしての実務歴はなかったので、その点をどのように補うのか、知識はあるかなどを判断するために上記のような質問を受けたのだと思います。
特に回答に困る質問はなく、要請条件やわたしが置かれた状況を考慮すると聞かれて当然だったので準備していました。
また、一次選考の書類作成の際に自己分析をしっかり行なっていたので、どんな質問が来ても回答する自信がありました。
そのため【これまでどんな経験をしてきたか】をベースに、まずは自分をよく知ることを行なってください。
倍率
JICA海外協力隊って倍率高くて、合格は難しいのではないか?と思われている方もいるのではないでしょうか。
確かに倍率の高い職種もあります。
しかし冒頭の応募案件を決める際にお伝えしたとおり、2023年秋募集では1964件も要請がありました。
つまり、穴場の職種もあるということです。
例えば18年春募集でわたしが応募した水泳の職種は11案件に対して4名が応募し、わたしを含む3名が合格しました。
案件ベースであれば定員割れ、応募者ベースであれば75%の合格率です。
こう聞くとそれほどハードルが高いとは感じないのではないでしょうか?
こちらの記事でも紹介している通り、
JICA海外協力隊の選考は優秀な人材を選出するためではなく、募集内容と志望者のマッチングのために行われているということです。
とはいえ、高倍率の職種もあります。
それは“誰もが応募できる”職種です。
具体的には『コミュニティ開発』『青少年活動』『環境教育』です。
特別なスキルは必要なく、応募要件としては比較的低い職種が高倍率職種です。
要請内容は多くの人がイメージしやすい“いわゆる”JICA海外協力隊であることが多いです。
衛生について教えたり、何かしらの啓発活動をしたりという要請です。
※詳しくは案件の詳細を確認してみてください。
上記の3職種以外は案件数に対して定員割れであることが多いです。
そのため、自己分析を行いこれまでの知識・スキルを活かせる職種があり、やりたいことが要請案件にあっているのであれば、3職種以外に応募することで合格率は高くなります。
参考までに23年春募集の選考結果をこちらに格納しておきます。
まとめ
この記事ではJICA海外協力隊の選考について紹介しました。
内容をまとめると次のとおりです。
- 【これまでどんな経験をしてきたか】をベースに、自己分析を行う
- そこから応募する案件を選ぶ
- 2回の選考試験があり、一次は書類・健康審査、二次は面接
- 倍率は職種によって大きく異なる
もしこの記事を読んで、JICA海外協力隊に応募したい!と思ってくれた方は、各種SNSのDMよりご連絡いただければ、18年春募集の際に書類審査で提出したものを共有いたします。
そのほか、ご質問・ご相談も受けますのでお気軽にご連絡ください。
この記事を読んで、一歩踏み出し挑戦する人が1人でも多くいれば幸いです。
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