このブログは“挑戦”を応援するために、自らの経験や挑戦の様子を発信しています。
今回の記事はJICA海外協力隊としていよいよ派遣される方に向けて、事前準備について紹介しています。
70日間の派遣前訓練を終え、いよいよ派遣間近!!
訓練終了〜出国まで何をすればいいの?派遣国に何を持っていけばいいの?
そんな不安や疑問を抱いていることでしょう。
実際にわたしも限られた時間の中で何をしておくべきか迷いながら派遣までの日々を過ごし、気づいたら出国の日を迎えていました。
特にわたしの時はカンボジア隊員は全派遣国の中で1番最初の出国だったので、出国までの日が限られていました。
※訓練終了が7/3で、出国が7/16と約2週間しか猶予がありませんでした。
この記事では以下のことがわかります!
- 派遣前にやっておくこと
- 派遣国に持っていくもの
※最後まで読んでくださった方にはプレゼントがあります。
派遣前にやっておくこと
2年間日本を離れるため、行政的な手続き、知人への挨拶、健康管理など出国前にしておくべきことはたくさんあります。
現職参加なのか、新卒ですぐにJICA海外協力隊になるのかなど置かれた状況や出国まで日数の違いでやっておくべきことは異なりますが、一般的な実施事項を紹介します。
常備薬の準備・健康チェック(特に医療機関への受診)
もし虫歯の懸念がある人は治療に時間がかかるので、派遣前訓練は始まるまでに治療しておくことをおすすめします。
それ以外では健康保険が使える間に、医療機関へ長期海外渡航の予定があることを伝え常備薬を長めに処方してもらうとよいです。
胃薬や解熱剤、アレルギー薬など、自分がよく服用する薬があったり、よく出る症状があるのであればそれを相談して処方してもらいましょう。
処方日数に制限はありますが、相談すれば比較的融通を利かせてくれます。
ジェネリックを選択すれば、ほとんどの場合ドラッグストアで買って準備するより安く揃えられ、適切な薬を用意することができます。
※医療機関によるし、わたしが派遣された当時と医療制度が大きく変わっていたら必ずしも処方してもらえるとは限りません。
派遣国でも医療機関を受診することは可能です。
その際、JICAで加入する医療保険で受診するため医療費もかかりません。しかし、現地で処方される薬が必ずしも日本人に合った用量の薬剤ではないし、どんな薬剤が処方されるかわかりません。
また軽度な症状のために、わざわざ現地の医療機関を受診するのもバカらしいので、派遣国でもセルフメディケーションの意識で常備薬は用意しておいて損はありません。
また、少しでも健康状態に不安があれば、医療機関を受診しておきましょう。
何もなければ安心して出国できるし、万が一何かあったとしても事前に治療・完治させてから出国すべきです。
何度も言いますが、派遣国の医療体制は日本と比べて不十分な場合が多いので、健康面に関する懸念材料は可能な限り取り除いてから出国しましょう。
行政関連の手続き
わたしは現職参加で会社に籍を置いたままだったので、ほとんど手続きはなかったですが、多くの方は必要な項目となります。
- 海外転出届(住民票を抜く)
- 必要に応じて、自動車免許の(事前)更新
- 国民年金手続き
必要な手続きに関する必要書類や実施期間などはそれぞれの置かれた状況や在住する自治体によるので、HPなど適宜確認し実施してください。
マイナンバーの返却もこれまでは必要でしたが、2024年5月27日からマイナンバーカードを海外で継続利用可能に法改正されます。
この点はまだ具体的な手続きについては今後発表とのことですので、これから派遣される方は要注目です。
金融関連の手続き
保有する銀行によっては海外居住者の取り扱いが異なります。
口座解約、海外利用者向けのサービス利用(手数料発生)、代理人を立てるなど。
また証券口座についても同様で、1年以上の海外居住者に対してサービスを提供していない証券会社もあります。
そのため、保有資産を売却したり、海外居住者向けにサービスを提供している証券会社に移管手続きをする必要があります。
保有資産の売却は必ずしも優位なタイミングで売却できるとは限らないし、移管手続きも移管元の証券会社により何日かかるか異なるので、派遣が決まったら保有資産の取り扱いをどうするか計画的に準備するとよいです。
正直、これまではばれる心配は低いのでは?と考えていましたが、いまはマイナンバーで多く国民は管理されています。
おそらく証券口座開設の際にマイナンバー登録をしたり、各種手当や税金支払のためマイナンバーと銀行口座を紐づけているとはずです。
海外転出(住民票を抜く)の手続きをするとマイナンバーが失効するため、各金融機関は海外転出の事実を知ることになると考えています。
*2024年5月27日からマイナンバーカードを海外で継続利用可能に法改正されます。
そのため、適切な対応をしていないといずれ困る可能性があるから、金融関連の手続きを出国前にしておく必要があります。
とはいえ、海外転出の実施有無や利用中の金融機関、派遣形態(現職参加か)などにより、必要な対応は異なりますので、各金融機関への問い合わせや参考になるHPより情報収集してみてください。
参考までにおすすめ記事を紹介します。
記録・情報発信用アカウントの作成/記録媒体の用意
JICA海外協力隊の経験は誰もができるものではありません。
ぜひその貴重な経験を多くの人へ共有していただきたいです。
情報発信方法はたくさんあります。
YouTube、ブログ、各種SNSなど。
不特定多数の方への発信に抵抗がある方でも、何かしらの形で記録・記憶に残すことをおすすめします。
例えば、写真をたくさん撮る、日記を書く、公開範囲を限定したSNS、ブログなど。
隊員期間中は内に秘めたものだとしても、帰国後何らかの形で紹介する機会があるかもしれません。
周囲の人は活動の様子やその国の食事や生活の様子などを絶対知りたいです。
そのため、必ず記録・情報発信するプラットーホームを用意しておくことを推奨します。
現地でブログ開設や記録媒体の購入は可能かもしれません。
しかし、派遣直後は語学訓練や各機関への訪問、現地生活への適応など想像以上に余裕がない日々となります。そのため日本にいるときに準備しておくとよいでしょう。
ちなみにわたしは入国4日目でアメーバ赤痢に罹り、
病院で点滴からの約1週間トイレの住人になりました。
情報発信をする際はJICAのルールに従ってください。
記載してはいけない事項、収益を生むコンテンツはNGなど規則があります。
規則違反は最悪の場合、任期短縮になるのでルールは守った上で情報発信など行いましょう。
参考までに、わたしがこのサイトを運用する際に使っているものを紹介します。
設定方法などはまた別の記事作成するつもりです。
今すぐ運用開始したい方はすでに他のサイトでまとめられているのでそれを参考にしてください。
WordPressを使ってサイトを開設する大まかな手順を下記に紹介します。
無料のNoteやはてなブログ、アメブロなどを利用する方法もあります。費用はかからず、アカウント登録だけで利用開始できるので手間をかけずに情報発信プラットホームを用意したい方はこちらの利用を推奨します。
【WordPress利用開始までの手順】
①レンタルサーバーの契約
わたしはXserverを契約しています。無料で一つドメインが取得でき、そのままWordPressを開設できるので手順がシンプルかつ、利用者が多いのでトラブルが生じた時や操作等不明点があったときに検索しやすいので推奨しています。
②ドメインの取得
Xserverの無料ドメインを取得する以外にも、有名なのは『お名前.com』や『ムームードメイン』などがあります。
③サイト開設
WordPressでサイトを開設。
新規でXserverを契約した際、クイックスタートができるのでそれを利用するとすぐにすぐに開設できます。
ブログ開設の際に参考にしたサイトURLを下記に紹介します。
出国時に持っていくもの
パスポートや旅券など当たり前なものはさておき、これ持っていってよかった、これなくて困ったなど紹介します。
持っていけるものの量も限られている点、可能な限り現地の方と同じような生活を経験してほしい点をふまえ、原則は現地調達をベースで考えています。
※派遣国の発展状況や職種により異なるので、あくまでカンボジア(東南アジア)の水泳隊員の例であることはご了承ください。
SIMフリーの携帯電話
SIMフリー携帯電話であることは必須条件として、可能であればeSIMとデュアルSIM対応機種だとより便利になります。
iPhoneであればモデル13以降であれば、eSIM/デュアルSIM対応となっています。
なぜ、デュアルSIMが良いのかですが、任国外旅行行くとき、日本の番号を引き続き契約している人にとって、任地のSIMを出し入れせずに、SIMを切り替えられるからです。
あのちっこいSIMカードって出し入れするの大変だし、無くしたら最悪ではありませんか?
そして何より、契約・回線開通までの手順が簡単かつスピーディなのが便利です。
任地SIMは物理的なSIMで、それ以外(任国外旅行先や日本の契約)SIMをeSIMにして使うと良いかと思います。
わたしが海外旅行に行く際によく使うeSIMはこちらです。
紹介コード【HIKARU5131】を使うと$3割引で購入できます。
クレジットカード
任地で使えなくても、任国外旅行の航空券や宿泊先を予約する際にあると便利です。
おそらくJICAから支給される生活費・住居費だけでは任国外旅行の旅費を捻出するのは厳しいかと思います。
なぜならJICAから支給される手当は任国の生活レベルを考慮した金額をいただいているからです。
とはいえ、せっかくの機会なので任地の近隣の国へ足を伸ばすのは非常によい経験になります。
そんなとき、日本の口座から引き落とされるようにクレジットカードを少なくとも2枚用意しておくと良いです。
可能であれば、世界的に普及率の高いVISAとMasterCardをそれぞれ用意することを推奨します。
参考までにおすすめのクレジットカードを2枚紹介します。
①楽天プレミアムカード
年会費¥11,000(税込)かかりますが、プライオリティパスの申請・取得が可能となります。
プライオリティパスがあれば、国際線に搭乗の際にラウンジが利用可能で快適に過ごせます。
派遣時の出国の際、任国外旅行の際、一時帰国の際、任期満了の帰国の際など、ラウンジでゆっくり過ごしませんか?
※24年12月31日まではプライオリティパスの利用回数に制限がありませんが、25年1月1日より5回/年の利用制限となります
②エポスカード
年会費無料のカードで海外旅行保険が利用付帯で保険が適応になります。
このカードの最大の特徴は、日本出国後も保険適応可能で海外で公共交通機関を利用した時から90日間適応されます。
つまり、日本出国前の利用によって海外旅行保険が付帯するカードからさらに保険期間を延長できることになります。
JICA海外協力隊の任国外旅行ではそれほど長期的な適応は不要ですが、帰国後新たな進路で長期的に海外へ行きたいと考えている方にとっては、2枚目に保有するカードとしておすすめです。
③ANA/JALカード
どちらのエアライン連合を利用するかで選び分けると良いです。
任国外旅行や派遣時の出帰国の際の航空券のマイルを貯めることができます。
航空会社のクレジットカードということで、旅費をそのカードで支払うことで海外旅行保険が付帯するカードもあるので、任国外旅行の際にも安心です。
電子デバイス
携帯以外の電子デバイスとして必要なのがPC、記憶媒体(USB,HDDなど)、カメラ、Kindle(電子書籍)
①PC/PC関連機器
こちらは派遣前訓練前から使っているものにしましょう。
慣れていない新しいものを用意して、使いこなせなかったり、新品を現地ですぐ盗られたり、壊してしまったりしたら悲しい気持ちになるので、張り切って新しいものを買う必要はありません。
ただし、今にも壊れそうなものは任国で壊れて活動に支障が出てしまうので、計画的に買い替えておきましょう。
わたしのおすすめはMacBookです。
iPhoneを利用しているため、データの共有がスムーズだし、もし万が一携帯を無くしたり、盗られたりした際に探すことができるからです。
そして資料・動画作成の際の操作性も直感的にできるので慣れるとWindowsに戻れなくなります。
一点注意が必要なのが、JICAから提供される資料がMicrosoftが多いため、互換性が悪いという点です。
Microsoft→Keynote/Numbers/Pages(MacBookでOfficeにあたるアプリ)は多少資料の崩れは生じますが開くことができます。
しかし、逆の場合は利用できません。
そのため対応策としては2つです。
【PDF化して送付する】もしくは【Microsoft Office】をダウンロードする。
わたしはPDF化して送付で問題なく活動できました。Officeをダウンロードするには費用がかかるし、不要なアプリが増えるので極力避けたいところです。
PCに関連してあると良いのが、外部記憶媒体です。
基本的にはクラウド保存を推奨していますが、任国のネット環境が不安定だと画像や動画などデータ容量が大きいファイルをクラウド保存するのは大変かと思います。
そのため、外部記憶媒体に定期的に保存しておくことを推奨します。
iPhoneであればWi-Fi環境下であれば自動でiCloudに保存されますが、Wi-Fiが整っているかどうかわかりません。
外部記憶媒体への保存は①デバイス容量の解放②デバイス紛失・故障の際の保険の目的です。
参考までにおすすめの記憶媒体を紹介しておきます。
虫対策グッズ
地域によってはデング熱やマラリアの恐れがある任国もあります。
派遣前訓練で蚊が最も『人を殺す生き物』として注意喚起を受けたかと思います。
そのため、虫除け特に蚊除けスプレーなどの準備はしておくべきです。
空間用と皮膚に直接塗布するものそれぞれ用意しておくと良いです。
特に空間用は日本のものの方が性能が高いような気がします。皮膚に直接塗布するものは現地でも買えましたが、皮膚が弱い方は日本で自分に合ったものを用意すると良いでしょう。
こちらも参考商品を下記に紹介しておきます。
【防除用医薬部外品】おすだけノーマットスプレー ロング [24時間持続 300日] 蚊取り スプレータイプ 虫よけ (アース製薬) 62.5ミリリットル
【Point】1プッシュで24時間持続、コンパクトなのに1本で300日利用可能
コールマン サラテクト ミスト [60ml] 虫よけスプレー 蚊・アブ・トコジラミなど 忌避 (アース製薬)
【Point】機内持ち込みサイズのため、入国時から対策可能
日本食(少し)
基本的には現地の食事を楽しんでほしいですが、どうしても恋しくなった時や体調不良で優しいものが食べたい時、現地の人に日本食を振る舞いたい時のために少しだけ用意しておいても良いです。
おすすめはカレールー、出汁パック、小分け包装かつ日持ちするお菓子などです。
日系ストアがあれば手に入るかもしれませんが割高なので、嵩張らなく日持ちするものを少しだけ用意しておくと良いです。
特に出汁パックはいろんな日本食に使えるし、体調不良の時は雑炊作ったり、汁物作ったりと大活躍でした。
カンボジアにはイオンがあるので、プノンペンでは上記のものは全て手に入ります。
地方隊員だったので、プノンペンに来ては買い占めて帰っていました。
職種特異なもの
水泳隊員だったわたしの場合は、下記のものを持っていきました。
これらは一部売っていたものはありましたが、趣味用のもので選手には向かないものだったり、そもそもその国で入手できないものでした。
- 水着、ゴーグル、スイムキャップ
- パドル、プルブイ、フィン
- タイム記録帳、ストップウォッチ
各職種で何が必要なのか正確にはわからないので、自分の職種に応じて OBOGや現役隊員に聞いてみると良いでしょう。
不要だったもの
ここまでは持っていってよかったものを紹介しましたが、一方で持っていってもほとんど使わなかったもしくは現地調達で十分だったものを紹介します。
- ドラッグストアに売っているようなもの(洗髪剤、ボディソープ、生理用品、洗剤など)
※洗髪剤やボディーソープなどすぐに必要なものは、買い物の時間ができるまでの数日分だけあると良い - 必要以上の衣類:基本的に現地調達できます。2年間でシンプルな格好になります。
- 紙媒体のテキスト:可能な限り電子化してください。読みたい本はKindleで!!
※訓練所で配布されるテキストやプリントは全て訓練所内の複合機でPDF化しましょう
まとめ
この記事では『JICA海外協力隊派遣前の準備』について、実際に派遣され帰国した今だからわかる本当に必要/不要だったものを紹介しました。
この記事で紹介したもの以外にも必要なものはあります。
そのため、ここまで読んでくださった皆さんには、参考までに派遣時の持ち物リストをプレゼントします。忘れ物がないかチェックするためにご利用ください。※必要に応じて過不足は修正してください。
下記よりダウンロード可能。
この記事を通じて、これから任国へ出発する隊員の皆さんが少しでも不安なく、自信や希望に満ち溢れて出国できることを願っています。
そして、あなたのその“挑戦”への第一歩を応援しています。
もし、JICA海外協力隊活動中に不安や悩みを抱いたりしたら、ぜひ各種SNSのDMよりご質問・ご相談を受けますのでお気軽にご連絡ください。
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