『自らが挑戦者として泳ぎ続けることで、他の人にも挑戦する勇気や希望を与えたい』を実現するために、会社を辞め自分自身が海外でマスターズ水泳に参加するためにオーストラリアに来ています。
前回の記事でオーストラリアでマスターズの水泳大会に出場するまでの手順を紹介しました。
その中で、Vorgee Programという、Masters関連の変態チックなプログラムがあることに触れました。
今回の記事では『Vorgee Program』にはどんなプログラムがあるのかを具体的に紹介します。
この記事は以下のような人におすすめ!
- タフなレースを経験したい変態な人
- 海外ではどんな大会があるか興味がある人
- 水泳の楽しみ方の幅を広げたい人
Vorgee Programとは
オーストラリアの水泳用品ブランドのVorgeeがスポンサーを務めており、オーストラリアのマスターズスイマーが刺激を受けながら水泳(フィットネス)を継続できるよう、さまざまなマイルストーン(ゴール)を置いて、それに対して賞品・表彰を行うプログラムのことです。
現在は2つのプログラムがあります。
どちらオーストラリアマスターズに登録している人であれば参加可能ですが、なかなかタフなプログラムとなっています。
Million Metres Program
1つめは『Million Metres Program』です。
余談ですがオーストラリアは英国系の英語のため、
meterではなくmetreと表記します。
centerもcentre表記です。
『Million Metres Program』のプログラムは、プログラム参加時からの泳いだ総距離100万mごとに表彰・賞品が受けられます。
このプログラム自体は1970年代後半から行われており非常に長い歴史があるプログラムのようです。Vorgeeがスポンサーになったのは2007年からです。
現時点(24年7月)の賞品ですが、ポロシャツ、Vorgeeで使える商品券、キャップ、ジャケットなどがあるようです。
泳いだ距離についてはMSA Million Metresというサイトを通じて、自己申告で泳いだ距離を登録します。
もしくはExcel(スプレッドシート)テンプレ入力し、Million到達時に書類提出により申告します。
MSA Million Metresの使い方
SafariやChromeなどで『MSA Million Metres』を開き、BookmarkやAdd to Homeに保存して使います。
利用手順としてはMSA Million Metresに登録、泳いだ距離を記録するの2つです。
①MSA Million Metresに登録
上記リンクよりアクセスし、メールアドレスを入力しTerm &Conditionsにチェックを入れます。
すると、登録したアドレス宛に届いた認証コードを入力したら登録完了です。
続けて、個人情報を【Register your details】より登録します。
氏名、所属クラブ、マスターズNo.を入力します。マスターズNo.はSwim Centralにて確認できます。
②泳いだ距離を記録する
MSA Million Metresにログインし、泳いだ距離を記録します。
水泳マークをクリックすると泳いだ日、泳いだ距離を入力するページに遷移するので記録します。
スイムペリアの超簡易版かつAUSマスターズ公式版のようなものです。
Million Metre到達を申請する
100万mなどの節目の距離に到達したら、申請フォームから必要情報を入力し提出します。
ポロシャツについてはサイズやカラーの選択だけでなく、クラブ名や自分の名前の刺繍を入れられるようでいい記念品になりそうです。
Endurance 1000 Program
2つめのプログラムは『Endurance 1000 Program』です。
下記、引用となります。
毎年集計されており、エントリーは前年12/31から当年1月中旬(2024年は1/14まで)となっています。
そして、下記種目の得点をクラブごとに競います。
種目は400/800/1500mと30min./45min./60min.間泳です。
それぞれ性別、年齢区分、種目ごとに3段階でポイント設定がされており、ポイントを稼ぐプログラムです。
- 25 individual 400m swims:個人400m5種目計25回 *1種目最大5回
- 25 individual 800m swims:個人800m5種目計25回 *1種目最大5回
- 3 x 1500m swims:個人1500mバタフライを除く3種目
- 3 x 30 minute swims:30分間泳3回(バタフライを除く3種目各1回)
- 3 x 45 minute swims:45分間泳3回(バタフライを除く3種目各1回)
- 3 x 60 minute swims:60分間泳3回(バタフライを除く3種目各1回)
※⚪分間泳は25m未満は切り捨て
全て出場し、すべて最高得点だと、62回出場1005ポイントとなります。
スコアリング表はサイトで確認でき、参考までに30-34才区分女子のスコアはこちらになります。
昨年は100名ほどが62回を達成し、70-80%程度が満点の1005点を獲得しています。(ざっくり目視)
1500mの背泳ぎや平泳ぎとかよくわかりませんが、設定タイムはそこまで厳しくなさそうです。
それよりも1500m/60min.間泳ぎ切るメンタルの方が心配です。
もしよければ、日本の皆さんで変態な方は個人的にやってみてはいかがでしょうか?
年間で62種目ということは月に5本はこなさないといけません。
どういうペースでやってるのか謎です。
1500m泳いで、400mと800mの通過タイムを計算してくれればかなりラクになりそうですが…
このプログラムについては、下記PDFを翻訳したものです。興味ある方はぜひ読んでみてください。
National Swim Series
Vorgee Programとは異なりますが、オーストラリアにもシリーズものの試合があります。
このシリーズは各州で開催されるものと、全豪で開催されるものがあり、日本のマスターズ短水路シリーズとジャパンマスターズを合わせたもののようなイメージです。
出場種目をスコアリングし、1試合あたりの平均獲得得点を競います。総得点ではなく“1試合あたりの平均獲得得点”なのがポイントです。
ただ多くの会場で出場すれば勝てるわけではありません。
2024年はオーストラリア国内で9試合予定されています。そのうち少なくとも2試合に出場することで参加権を得られます。
スコアの計算は
- 1大会において得点が高い5レースの合計
- 出場大会の得点を合算
- 合計獲得得点に対して出場率をかける
【参考】
1大会6種目出場し、それぞれの得点が500,500,500,600,400,700を9試合中3試合出場した場合
- 500+500+500+600+700=2800
- 2800×3=8400
- 8400*3/9≒2800
厳密には各試合で合計得点が異なるので、上記のようなシンプルな計算式にはなりませんが、1試合での平均獲得得点の高いスイマーが優勝となります。
この記事を書いている7月時点でまだ4試合残っているので、遠征すればまだチャンスがあります。
まとめ
今回はマスターズのクラブ登録や大会エントリーをする中で見つけたオーストラリアマスターズ水泳にあるユニークなプログラムについて紹介しました。
2つのVorgeeプログラムについては、日本でも個人的にもしくは変態集団を作って実施可能かです。
特にMillion Metresはスイムペリアのようなもので、利用開始時からの合算なのですでに100万mを余裕で突破している方もいるのではないでしょうか?
Endurance 1000の方は年間で62回なので、非常にタフなプログラムかと思いますがぜひ変態な猛者の皆さまにはトライしていただきたいです。
本記事のまとめです。
- オーストラリアには2つVorgee Programがある
- Endurance 1000は400/800/1500m, 30min/45min/60minを各種目で泳ぐ変態プログラム
-
1試合あたりの平均得点で競うNational Swim Seriesがある
OWSが盛んで、長く泳ぐことに長けているオーストラリアならではのプログラムだと感じました。
国によって水泳の楽しみ方が異なる点も面白いです。
楽しみ方が違えど、“水泳が好き”なことに違いはありません。
『国籍や楽しみ方は違えど、“水泳”という共通言語を通じて繋がりを広げていく』って改めて面白いなと感じています。
その人、その国ごとの水泳の楽しみ方を知り、さらに水泳の魅力を知ったり、水泳を通じて関わりが広がっていくことを考えるとワクワクが溢れてきます。
このワクワクを一緒に感じてみませんか?
体力と持久力を向上させたいスイマー向けのプログラムです。
会員がより長い距離をより頻繁に泳ぐためのインセンティブ (ポイントの形で) を提供することで、有酸素運動能力を促進するために使用されます。