※この記事は過去、協力隊員としてカンボジアで活動していた時に作成したものを再編集しているため、文体や時制が乱れている箇所があるかもしれません。
作成時期としては、20年2月16日なので派遣されて半年経った時のものです。
協力隊として非常に悩んでいた時でもあります。
思ったように活動できず、わたしは協力隊員としてカンボジアに来た意味はあるのか?
やりたいと思っていたこと、やならければと思っていたこと全くできていないじゃん!!
そんなことを感じていました。
おそらく、現在派遣中で同じことを感じている隊員、過去隊員だった時に同じことを感じていたかたいるのではないでしょうか?
そんな時に、『なんでここに来たんだ?』と考えていた中で、カンボジア(派遣国)/コンポンチャム(任地)の人、活動先の人にとって、わたし、ボランティアって必要なの?ってことを、わたしなりに考えてみました。
この記事は以下のような人におすすめ!
- 現在、協力隊活動が思うようにいかず悩んでいる人
- これからJICA海外協力隊になりたい、派遣予定の人
- 国際協力に興味・関心がある人
派遣国の様子:要請内容と派遣国の実態のギャップ
カンボジア水泳連盟ってめっちゃすげーじゃん!!!
これが最初の印象でした。どうしてそう思ったのかというと、
- カンボジアに来てすぐに会った連盟トップの方の考え
- 連盟で働くコーチたちのスキル
- 大会を通してわかる運営レベル
- プノンペンの選手の練習の様子
赴任してから今日(派遣半年ごろ)までに経験したことを振り返ると、わたしがいなくても連盟の人たちだけで運営していけるんじゃないの?と思うことが多々ありました。
もちろん日本のように、“完璧”(日本スタイルが完璧かどうかは定かではないが。)とまではいかない。
けれど、彼らのペースで進歩していけばいいし、余所者が口出しして、納得いかないまま無理矢理改善させる必要もないのではないかというのが本音でした。
彼らが『ここはこうした方がいいのでは?』と気づいた時こそが、改善のタイミングであり、彼ら自身も納得しやすい。彼らにとっての最善策を考えればいい。
なにも疑問に思わなかったら?
そんな心配もいらないくらい、連盟の方々は“今よりもっと良くするためには?”ってことを考えているように感じました。
この観点がないと、何事も惰性でやり続けてしまいます。
これは日本でも同じ。
何をするにも必要!!
きっと過去の先輩隊員の影響もあると思います。
連盟の人たちとの会話では、最近の隊員の話はもちろん、何年前の人だよ!!って隊員の話も出てきました。
過去の隊員を尊敬するとともに、わたしって連盟にとっては必要ないんじゃないのか?と思い、常に無力感を感じていました。
任地の様子:コンポンチャムの人にとって、協力隊員はマンパワー!?
水泳連盟の人たちすげー!!となった一方で、任地のコンポンチャムでは協力隊員って労働力の一人でしかないのでは?と思っていました。
というのも、カウンターパートと呼ばれる任地で一緒に活動を行う人が通常いるのですが、正確にはそのポジションに当たる人はいたのですが、任地の様子は下記の状況でした。
- カウンターパート含め任地の人の中に指導者はいない
- カウンターパートや任地の人は指導方法を習得する気がない
- 任地の選手自身、本当に水泳をしたいのかわからない
プノンペンとは違った意味で、協力隊員の必要性を感じません。
彼ら的には、協力隊員が全てやってくれるから必要なのかもしれません。
しかしこの状況なら、日本の税金を使ってやるのではなく、生徒からお金をもらいビジネスとしてスイミング事業にし、現地の人から給料をもらってやるなり、フリーランスでプール使用料をプール管理者に払う方がよっぽど相互のためになると思っていました。
選手のやる気があればこんなこと思うことも減ると思います。
しかし家族経営的要素が強く、無理やり親戚に泳がされている選手、そして外部の本当に泳ぎたい人を排除している状況を考えると、わたしがいたこと自体がマイナスのように感じることもしばしばありました。
前任との猛抗議のすえ、
外部者の受け入れは緩和。
とは言っても、結局のところ現地の彼らが自ら運営していけるようにならなければ意味ないし、わたしが帰国したらまた外部者を排除しかねない。
そう考えると、今やっていることって一時的でしかない、将来的には意味のないことなのでは?と思っていました。
結局のところJICA海外協力隊っているの?
この疑問はきっと協力隊員なら一度は抱く疑問であり、悩みでしょう。
隊員のブログ読みあさったら、
一度はこういう内容の記事があるよ。
読みあさった結果、『わたしって必要?』には2つのタイプがありました。 ※わたし調べ
- 派遣国のレベルが想像以上に高くて、助けがいらないのでは?タイプ
- 派遣国の人のやる気がなく、隊員1人が頑張っても….タイプ
わたしの任地においては後者のタイプです。(水泳連盟に対しては前者です。)
頑張って練習する選手もいるし、泳げるようになりたいと練習にくる生徒もいる。
そのため1人虚しく孤軍奮闘しているわけではありませんでした。
しかし、記事前半にも書いた通り、任地のスタッフは協力隊員帰国後のことは考えておらず(それか後任がくると思っている)、いつまで経っても、自分たちでコンポンチャムの水泳事業を運営していく意思が見られませんでした。
一緒にコーチをやらないか誘ってみても、
- 稼げないからNO
- 選手指導は協力隊員の仕事
といって、全く関与しようとしませんでした。
ここまでの話だとJICA海外協力隊っていらないのでは?と思ってしまいます。
目に見える“成果=現地の人の自立”だとしたら、JICA海外協力隊員がたかだか2年活動したところで、何かを変えられると思ったらおこがましいと考えています。
しかしわたしが、協力隊員が活動することによって、現地の人が“日本”に興味を抱き、それをきっかけに何かが変われば、協力隊の存在ってめっちゃ大きいのではないでしょうか。
例えば、
- 日本(海外)に行ってみたい
- 日本(海外)で働いてみたい
- 日本(海外)はこんなにすごいんだ!!!
- 日本(海外)みたいに、自国をよくしたい!!!
などなど。
だって、JICA海外協力隊事業の3つの柱がこれですから。 *2020年時
- 開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
- 異文化社会における相互理解の深化と共生
- ボランティア経験の社会還元
ここ、テストに出ます!!
※これ、マジ!!
日本に関心を持ってもらえれば、2番がそれに当たりますよね?それに間接的に1番もあながち間違ってはいません。
その手段が水泳であったり、教員であったり、看護師であったりするだけ。
活動始めてたかだか半年でゴールを“日本に関心を持ってもらう”と低い設定にする気はありません。そんなゴールのために税金を使っていると思いたくないし、思われたくない。
やっぱり来たからには、現地の人にとって何かしらの貢献をしたいし、わたしがいなくなってからも自分たちで水泳の練習、普及ができるような仕組みを作りたいと強く思っています。
でも、“わたしって来た意味あるのか?”と悩んで、投げやりに活動するよりは、“日本に関心持ってもらえているならそれでいっか”くらいの気持ちでいてもいいような気がします。
※活動時にこのブログ記事を作成していたときはこう考えていたようです。
そこの悩んでいる隊員たち、
あまり悩みすぎるなよ!!
誰かが言っていましたが“いるだけでODA”って考えでもいいと思います。
そういう人こそ実は大きな志を抱いていて、なかなかうまくいかない現実に悩んでいるからこその言葉だと思うからです。
世間では“仕事がなくて遊んでいる税金のムダ遣い達”と協力隊事業をよく思っていない人もいると聞きます。(実際に調べれば山ほど出てきます。)
全員が違うとは言いませんが、ほとんどの人が悩み、苦しみながら、異国でなんとか成果をあげようともがいています。
結局何が言いたいのかというと、“JICA海外協力隊って必要”ってことです。
現時点ではそう考えています。あくまで半年ちょいしか活動していない協力隊員初心者の意見です。1年半後考えが変わって、記事を編集し直すかもしれません。
その時は改めて読み直してください。
事を成し遂げる者は愚直でなければならぬ。才走ってはうまくいかない。
勝海舟 -江戸末期〜明治の人-
JICA海外協力隊を終えて、振り返ると…
ここからは24年5月現在、JICA海外協力隊を終えて、改めて必要だったか振り返ってみます。
あくまでわたしの経験の中での意見であること、派遣された国、活動内容によって大きく異なることをご理解ください。
結論は『JICA海外協力隊事業は必要』です。
少なくともわたしの中で、下記のボランティア事業の柱を実現できたからです。
正確には隊員時代にできたことは2だけですが、今後のキャリアとして1, 3を実現していきたいと考えています。
【JICAボランティア事業の3つの柱】
- 開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
- 異文化社会における相互理解の深化と共生
- ボランティア経験の社会還元
異文化社会における相互理解の深化と共生
協力隊員としてカンボジアで生活し、現地のコーチ陣と活動を共にし、多くのことを学び・経験することができました。
ここでは書ききれないので、別途記事にしようと思います。
日本の良さ、カンボジアの良さ、日本がカンボジアから学ぶべきこと、カンボジアに伝えたい日本の良さ。
比較対象があるからこそ、それぞれの良さに気づくことができました。
また、日本の良さが必ずしもカンボジアにとっての良さになるとは限らない。
振り返ると当たり前なことだけど、日本でずっと生活していたらそれにも気づけなかったし、気づけたからこそ、今、日本で生活していて思い出すことがあります。
開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与/ボランティア経験の社会還元
これは派遣期間だけでは結果は出ないと考えています。
たかが2年でその国の経済や社会を発展・復興させられるとは思っていません。
だからこそ、ボランティア経験を活かして、今後のキャリアで寄与していきたいし、社会還元していくつもりです。
下記のコンセプトを実現するため、
自らが挑戦者として、挑戦の繋がりを広げる。
誰もが生涯挑戦者として生き生きと生きてほしい。
- 誰もが気軽に海外の試合で挑戦できる機会を作る
-
途上国含む子どもたちが海外でトレーニング・試合出場できる機会を作る
この2つをまずは形にするべく、挑戦し続けていこうと考えています。
まとめ
この記事では『JICA海外協力隊の必要性』について、協力隊員時代に悩んでいたリアルを紹介しました。
そして、隊員を終えた今振り返って改めて必要だったか、わたしの経験を踏まえて必要性について考えています。
内容をまとめると次のとおりです。
- 協力隊員現役の時も、隊員を終えた後も必要だと考えている
- 必ずしも隊員の期間だけで、JICAの事業目的を全て実現できるわけではない
- 隊員期間で何を感じ、何を学び、どう将来に活かしていくかが重要
この記事を通じて、JICA海外協力隊に興味を持った方が一歩踏み出し、新たな挑戦を始めるきっかけとなれば幸いです。
JICA海外協力隊以外でも、誰かの何かの挑戦の一歩になることを期待しています。
あなたの“挑戦”を応援しています。
さらに青年海外協力隊のことを知りたければ、各種SNSのDMよりご質問・ご相談を受けますのでお気軽にご連絡ください。
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