【実体験】青年海外協力隊予備生の派遣前訓練(二本松)

青年海外協力隊
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JICA海外協力隊の選考試験に合格しこれから派遣前訓練を迎える人

派遣前訓練って何をするの?って気になっている人

語学ができないけどJICA海外協力隊になれるの?って疑問を抱いている人

 

JICA海外協力隊員が派遣国に行ってからの活動などは多くのブログ、SNSで発信されていますが、その前段階である訓練の様子についてはそれほど情報がありません。

 

しかし、この派遣前訓練を乗り越えなければ、正式にJICA海外協力隊に離れないほど重要な試練です。

この記事は以下のような人におすすめ!

  • JICA海外協力隊の選考に合格しこれから訓練を迎える人
  • JICA海外協力隊に興味はあるが語学など不安がある人
  • 今まさに派遣前訓練中の人
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派遣前訓練とは?

派遣国(履修語学)によって、二本松と駒ヶ根にて70日間JICA海外協力隊になるための訓練を行います。

この訓練を経てようやく正式に隊員として認められます。

言い換えると、いくら選考試験を合格していても途中で除隊したり、語学最終試験に合格できなければ隊員として派遣されることはありません。

 

実際に、語学授業や団体生活など合わず訓練についていけず除隊したり、ケガや病気で訓練の継続が不可になった候補生もいました。

 

では訓練で何が実施されるのかを紹介します。

〔入所式の様子〕

途上国での活動・生活に向けて

まずは最も重要な途上国での生活スキルの面です。

日本のように衛生面で不安のない国ばかりではありません。

そんな中、約2年間生活していかなければならないので、食事や健康面などの知識習得をします。

合わせて、感染症対策として派遣国に応じた各種予防接種を毎週行いました。その数10本以上!!

 

そのほか異文化理解のための時間や地域交流の活動がありました。

語学

次に重要なのが語学。

途上国の多くは英語以外の語学圏です。

活動をしていく上でコミュニケーションは必須です。そのツールとして語学を学びます。

 

入所翌日には早速事前課題のテストがあります。

カンボジア派遣のわたしはクメール語の文字の書き取りとリスニングテストでした。

直前までサラリーマンをしていたこともあり、事前課題をおろそかにした結果、文字は半分くらいしか書けず、3択のリスニングテストは3割ほどしか合っていませんでした。

リスニングの3割は勘が確率で当たっただけ。

〔クメール語文字一覧〕

 

事前課題テストの内容は語学、担当講師によって異なりますが英語以外は文字の書きや簡単なリスニングがメインだったと聞いています。

 

そんな底辺訓練生だったわたしですが、70日間ほぼ毎日8時間ほど語学勉強に時間を費やしていたら文字の書き取り、基本的な会話、自己紹介程度はできるようになります。

しかし、言い換えるとその程度しかできません。

 

実際に現地で生活して、活動のための語学力は現地で身につけていくしかありません。

そのため、語学が全くできないことに対して引け目を感じたり、訓練中に完璧にしなければいけないと気負いすぎる必要はありません。

とはいえ、派遣前に最低限の知識をつけて、わからないことを聞けるくらいにはしておいた方が良いです。

 

授業はさすが何度も候補生を教えているだけあって、マニュアル化されとても楽しくわかりやすい授業でした。

テストは中間と最終の2回に加え、クメール語クラスは毎週ミニテストがありました。

 

訓練の80%程度は語学の時間です。いかに楽しく、続けられるかが訓練を充実させるひとつのポイントになります。

その他活動

訓練というと自由時間はほとんどないように思うかもしれませんが、休日や授業前後は比較的自由な時間があります。

もちろんその中で課題や予習・復習をしなければいけませんが、時間を作って運動したり、同期隊員と外食したり、休日には福島近郊で観光したりもしました。

 

それ以外にも委員会活動があったり、有志でイベントを企画・運営したりといろんな経験ができます。

わたしはラジオ委員として福島で放映されるローカルラジオ向けのコンテンツを作成したり、運動会を企画・運営しました。

〔ラジオ委員の仲間たち〕

どちらも訓練の傍ら準備していたので、試験や課題と重なるとパンクしそうでしたが、もしチャンスがあるなら積極的にやることをおすすめします。

かけがえのない経験になるし、その経験は派遣された時に人を巻き込んで何かを企画・運営したり、マルチタスクをこなすためにスケジュール管理したりと、あなたの力になります。

訓練中の生活

70日間も生活するとなるとちょっした旅行と持ち物は異なります。

また食事や娯楽があるかなど気になる点もあるかと思うので紹介します。

 

結論、持ち物は必要最低限でOK足りなければAmazonなどのネット通販で買え!です。

持ち物

衣類に関しては、二本松は山奥にあるので平地に比べ寒いです。4月末の入所の場合は、3月ごろの服装を用意しておくと良いです。

わたしはほぼ半袖、半ズボンしか用意しておらず、寒すぎたのでAmazonで調達しました。

 

Amazon大抵のものは買えるとはいえ、初日から持っていくと良いものBest5を紹介します

①PC, PC関連用品

課題提出や調べ物、ブログ作成などで使います。
操作等で困ったときはPCに強い隊員もいるので、相談にのってもらい派遣前に使いこなせるようにしておくと良いです。

②現金

二本松訓練所(NTC)内やその付近ではクレジットカードを含むキャッシュレスの支払い方法がほとんど使えませんでした。

コロナの前の2019年ごろの情報なので、現在は状況が変わっているかもしれませんがコンビニのATMに行けるまでの現金はあったほうが安心です。

1万もあれば十分です。

③延長コード

各個人の生活スペースのコンセントの位置は部屋によって、使う家電製品によっては不便なところにしかない場合が多いです。

2mコード、2-3口の延長コードがあると充電しながら、その他の家電も使えたりとストレスなく電気を使うことができます。

④イヤホン

個人の部屋の壁はそれほど厚くありません。
語学のリスニングをする機会が多くなるため、何時でも聴けるようイヤホンは用意しておいた方が良いでしょう。

⑤サンダル

これは意外かもしれませんが、ちょっとした移動やお風呂上がりなどは靴よりサンダルの方がラクです。
可能であればビーチサンダルのようなサンダルではなく、靴下を履いたまま履けるサンダルがおすすめです。

adidas(アディダス) スポーツサンダル

靴下のままはけて、濡れたまま履いてもすぐに乾く素材がおすすめ

そのほかあってよかった物をこちらのリストに用意しておきます。

記憶が正しければ、JICAから持ち物リストが配布されるかと思いますがそのリストをベースに用意して、Amazonで調達したものを合わせてリストを作成しています。

 

二本松の場合、安達太良山の登山をする隊員が多いので、トレッキング用品もあると良いです。
ただし、ランニングシューズでも登山は可能でした。そのためトレッキングシューズ必須ではありませんがあった方がラクに登山できるかと思います。

食事

基本的に1日3食提供されます。

金曜の夜や休日に外食することも可能なので、その場合は喫食調査で×をつければ良いです。

栄養バランスが考えられており、飽きない工夫として外国の食事が出たりと献立は非常に考えられています。

好き嫌いはないので食事で困ることは全くありませんでした。

娯楽

月〜土 8:10-17:00までの訓練時間以外は基本的に自由な時間になります。

課題や予習・復習の時間以外は娯楽に充てていました。

 

とはいえ平日は就業前後の限られた時間しか自由時間がないので、早朝や夕食後に訓練所内のジムやランニングコースを走ったりしながら身体を動かしていました。

そのほかYouTubeを見ることもありましたが、場所によってWi-Fiが弱いので多少の不便さはありました。

日曜の終日フリーな日は、訓練所を抜け出し近くのプールに行って泳いだり、福島や東北を観光したり、福島駅でランチしたりと息抜きをしていました。

そのほか登山や岳温泉街(NTCに最も近い観光スポット)を満喫したりと、月〜土は追い込んで日曜に一気にリフレッシュすることができます。

カンボジア×水泳隊員の訓練中の様子

これはあくまでわたしの過ごしかたです。

人によって空き時間に何するかは異なりますが、講義の時間は主に同じです。

平日

  5:45 起床
  6:15 陸トレ・running
  7:10 入浴・朝食
  8:10 朝の集い
  8:45 午前授業(語学)
11:35 昼食
13:00 午後授業(語学/講義)
15:10 講義/語学自習
17:10 陸トレ・入浴
18:00 夕食
19:00 自習/委員会活動
23:00 就寝

午前中は語学ですが、午後は曜日によって講義や予防接種があったりします。

そうでない日は午後も語学です。

休日

  6:30 起床
  7:10 朝食
  8:00 ラジオ編集(委員会活動)
10:00 洗濯・掃除
11:00 外出(二本松駅周辺探検)
16:00 帰宅
17:00 バトミントン
18:30 入浴・夕食
20:00 勉強
23:00 就寝

休日の過ごし方は自由です。

訓練所には台数は限られているけど電動自転車があるので、ちょっとしたお出かけはそれを借りたり、長時間の場合は二本松駅までバスで下山し、駅でレンタサイクルをしていました。

二本松駅から二本松しんきん城山プールまでは電動自転車で15-20分くらいでした。

まとめ

この記事ではJICA海外協力隊の選考試験を通過し、これから訓練を迎える人、訓練が始まったばかりの人に向けて、訓練の様子や70日間の訓練を乗り越えるための過ごし方などを紹介しました。

内容をまとめると次のとおりです。

  • 派遣前訓練とは正式にJICA海外協力隊になるための最終試験
  • 途上国で生活するためのスキルや適応力を学ぶ
  • 休日や終業後は意外と自由時間があり、運動や観光も可能
  • 持ち物リストはこちら

JICA海外協力隊の訓練の様子はイメージつきましたか?

訓練というと厳しいとか大変なイメージを抱くかもしれません。そのイメージは間違っていませんが、それ以上にとても良い経験ができます。

 

多様なスキルを持った同期隊員から刺激をもらったり、訓練や自主活動を通じて自己成長など非常に濃い70日を過ごせます。

 

これから訓練を迎える隊員候補生の皆さん、今現在訓練中の皆さん、あなたの“挑戦”を応援しています。

さらに青年海外協力隊のことを知りたければ、各種SNSのDMよりご質問・ご相談を受けますのでお気軽にご連絡ください。

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